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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第5章 突然の別離
 雪鈴は両脇に垂らした拳を痛いほど握りしめた。あまりといえばあまりの言葉だ。



 自分の生が生き恥を晒すことだと、この冷酷な男は言うのか。良人となったばかりの息子が亡くなり、未亡人となった嫁を不憫だと思うのが人情ではないのか。



 雪鈴は義父を見つめて言った。



「何度言われても、私は自害はしません」



 亡き良人を悼む気持ちと殉死はまったく別物だ。正直、義両親が嫁に殉死を迫るのは、国から賜る報奨金と烈女碑を建てる名誉を得たいがためだけのように思えてならない。
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