この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第40章 花、薫る夜

賛との想い出の花から逃れるように秘苑を後にし、殿舎へと向かった。未来の東宮妃の仮宿舎は後宮の一隅にあった。そろそろ後宮に足を踏み入れようかという頃、大殿へと続く道から大股で歩いてくる人物がいた。
気性を物語るかのように、きびきびとした足取りの主は意外にも通り過ぎるかと思いきや、桂花の前で立ち止まる。桂花は茫然として相手を見上げた。見上げるような長身の貴公子は、桂花の想い人と目鼻立ちが激似している。つまり、とても秀麗な面立ちをしていた。ただ一つ違うのは、賛より彼の方が少し背が高いことだけだ。
気性を物語るかのように、きびきびとした足取りの主は意外にも通り過ぎるかと思いきや、桂花の前で立ち止まる。桂花は茫然として相手を見上げた。見上げるような長身の貴公子は、桂花の想い人と目鼻立ちが激似している。つまり、とても秀麗な面立ちをしていた。ただ一つ違うのは、賛より彼の方が少し背が高いことだけだ。

