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第41章 それぞれの想い

　賛が穏やかに言った。




「我が儘なんかじゃない。桂花は別に女になりたい願望があるわけではない。今まで生きてきた人生を捨てたくないのはごく自然な気持ちだよ」



　桂花が賛を見ている。黒曜石の瞳には大粒の涙が滲んでいた。



「邸下」



　賛は桂花の細い身体を抱きしめた。



「済まない。そなたの気持ちを理解してやれなくて」