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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

ごめん、桂花、いや、冒。本当は私はそなたの奥底に潜む想いに気付いていたんだろうと思う。
しかし、卑怯な自分は生温い幸せに浸りきっていたくて、桂花の本音に気付かないふりをしていただけなのだ。
「邸下」
桂花に呼ばれ、賛の意識が現に引き戻された。
「どうした?」
甘い声音で囁くのに、桂花が袖から一枚の布を取り出す。何の変わり映えもない鉢巻きかと思いきや、桂花が手のひらにひろげた布の片隅には、小さな刺繍が入っていた。
しかし、卑怯な自分は生温い幸せに浸りきっていたくて、桂花の本音に気付かないふりをしていただけなのだ。
「邸下」
桂花に呼ばれ、賛の意識が現に引き戻された。
「どうした?」
甘い声音で囁くのに、桂花が袖から一枚の布を取り出す。何の変わり映えもない鉢巻きかと思いきや、桂花が手のひらにひろげた布の片隅には、小さな刺繍が入っていた。

