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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い
あの日が随分と懐かしく思えてならなかった。現実には、あれからまだ二年も経っていないのに、賛には遠い昔のようだ。
「武芸の鍛錬をなさる時、お使い戴ければと思って」
賛の好きな爽やかな水色の鉢巻きに、純白の花がひっそりと咲いている。自らを主張しない控えめな彼(桂花)のようだ。
賛は桂花を再び抱き寄せた。
「私こそ、そなたが今くれた言葉をそのまま君に返したい。君に愛されて、出逢えて僕は幸せだ」