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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い
四月もそろそろ下旬になろうかというその日、賛はひそかに東宮殿を出た。




 まだ夜明け前の薄青さがそこここに残る中、長年暮らした東宮殿を蒼白い月が照らしていた。いつものように寝室の窓からまずは賛が出て、次いで桂花が出た。こんなときは毎夜、共寝をしていたのが役立った。昨夜もいつものように桂花が夜伽を務める体を装い、寝所に入り身支度を調えて明け方を待っていたのだ。




 むろん、二人ともに夜着ではない。あまり華美ではないけれど、それでも上物の衣服は旅の両班の若夫婦に見えるだろう。
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