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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

秋になれば、またここは薄紅と純白の秋桜で埋め尽くされるのだろう。
再び、ここに戻ってくることはあるのかは知れない。賛はこの漢陽で生まれ育った。世子の地位には未練はないとはいえ、慣れ親しんだ都、宮殿を捨てるのだと思えば、感傷的な気分になるのは致し方ない。
はるか高みから見下ろす都は、豆粒のようだ。ここから見れば、この国で最も権力を持つという王が棲まう宮殿だとて、幼児が遊ぶ玩具のように小さく儚い。
再び、ここに戻ってくることはあるのかは知れない。賛はこの漢陽で生まれ育った。世子の地位には未練はないとはいえ、慣れ親しんだ都、宮殿を捨てるのだと思えば、感傷的な気分になるのは致し方ない。
はるか高みから見下ろす都は、豆粒のようだ。ここから見れば、この国で最も権力を持つという王が棲まう宮殿だとて、幼児が遊ぶ玩具のように小さく儚い。

