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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第41章 それぞれの想い

抱き下ろした桂花の身体は羽のように軽かった。これからは賛が守ってゆく大切な人生の伴侶だ。賛は桂花を抱きながら、責任と幸せの重みを改めて噛みしめた。
一刻後、二人は既に都の城門を出ていた。今、佇むのは都城を一望に臨む小高い丘の上である。そう、去年の秋、賛が初めての逢瀬に桂花を連れてきたあの想い出の場所であった。
丘の頂には桜樹が幾本か植わっているけれど、生憎ともう花は散って緑眩しい葉桜が日ごとに強さを増す春の陽差しに輝いている。
一刻後、二人は既に都の城門を出ていた。今、佇むのは都城を一望に臨む小高い丘の上である。そう、去年の秋、賛が初めての逢瀬に桂花を連れてきたあの想い出の場所であった。
丘の頂には桜樹が幾本か植わっているけれど、生憎ともう花は散って緑眩しい葉桜が日ごとに強さを増す春の陽差しに輝いている。

