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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第43章 傷痕

けれども、死への衝動が高まる度、チェソクのいまわの際の言葉が耳奥で蘇るのだ。
ーありがとうな。いつしか、お前は俺にとってかけがえのない息子になっていたよ。幸せになれ、ボクス。
チェソクは〝幸せになれ〟と言い残した。この生命は七年前、チェソクに助けられたものでもある。父とも慕うチェソクの遺言を無下にはできない。その想いが辛うじてボクスをこの世につなぎ止めていた。
チェソクとの別離からふた月が過ぎようとする冬の昼下がりだった。
目抜き通りも途切れようとする界隈は、急に人気が少なくなる。必然的に空き店舗も多く見かける。
ーありがとうな。いつしか、お前は俺にとってかけがえのない息子になっていたよ。幸せになれ、ボクス。
チェソクは〝幸せになれ〟と言い残した。この生命は七年前、チェソクに助けられたものでもある。父とも慕うチェソクの遺言を無下にはできない。その想いが辛うじてボクスをこの世につなぎ止めていた。
チェソクとの別離からふた月が過ぎようとする冬の昼下がりだった。
目抜き通りも途切れようとする界隈は、急に人気が少なくなる。必然的に空き店舗も多く見かける。

