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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々

ボクスは首だけねじ曲げた体勢で、ギルソンに反抗的な眼を向けた。
「理屈は必要ありません。俺は俺自身の心が望むままに生きるし、主人をも決める」
しかし、本当のところは動揺はしていたのだ。むろん、ケトンの存在をひけらかされたからである。
もし自分が何も告げずに去ったらー。あのお嬢さんは泣くかもしれない。何も自惚れではない。たとえ色恋抜きにせよ、あの娘と自分の間には多少の心の通い合いはあると確信していた。例えるなら、それは〝友情〟といえるものに近いかもしれない。もっとも、ボクスの方は友情どころか恋情に違いなかったけれど。
「理屈は必要ありません。俺は俺自身の心が望むままに生きるし、主人をも決める」
しかし、本当のところは動揺はしていたのだ。むろん、ケトンの存在をひけらかされたからである。
もし自分が何も告げずに去ったらー。あのお嬢さんは泣くかもしれない。何も自惚れではない。たとえ色恋抜きにせよ、あの娘と自分の間には多少の心の通い合いはあると確信していた。例えるなら、それは〝友情〟といえるものに近いかもしれない。もっとも、ボクスの方は友情どころか恋情に違いなかったけれど。

