この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々

「ボクスよ」
ギルソンは相変わらず憎らしいほど落ち着いている。
「お前が怒るのも無理はない。沈執事は明らかに常軌を逸脱していた。沈執事」
打って変わった厳しさを増した声音に、執事が表情を強ばらせた。
「そなたの先ほどの行為はやり過ぎだ。見れば、まだ頑是無き童ではないか。大方、母親の手を振り解いて駆けだし、親も止めようがなかったのだろうて。そのようなこと、誰しもままあるものではないか」
ギルソンは輿上から女に呼びかけた。若い母親はボクスから抱き取った我が子を胸にひしと抱きしめている。ギルソンの声に、女がピクリと身を震わせた。
ギルソンは相変わらず憎らしいほど落ち着いている。
「お前が怒るのも無理はない。沈執事は明らかに常軌を逸脱していた。沈執事」
打って変わった厳しさを増した声音に、執事が表情を強ばらせた。
「そなたの先ほどの行為はやり過ぎだ。見れば、まだ頑是無き童ではないか。大方、母親の手を振り解いて駆けだし、親も止めようがなかったのだろうて。そのようなこと、誰しもままあるものではないか」
ギルソンは輿上から女に呼びかけた。若い母親はボクスから抱き取った我が子を胸にひしと抱きしめている。ギルソンの声に、女がピクリと身を震わせた。

