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後宮に蝶は舞いて~Everlasting love~第二部
第45章 新たな日々

夜になった。崔家の大邸宅の一室ではギルソンと娘ケトンが向き合っていた。ギルソンはつい先刻、昼間の顛末を娘におよそ語り聞かせたところだ。むろん、娘に余計な衝撃を与えないように配慮し控えめにしたけれど、おおよそ真実を伝えたつもりだ。
案の定、娘は愛らしい面に怒りの、次いで痛ましげな表情を浮かべた。
「お父さま、今まで告げ口をするようで嫌だったから言わなかったけど」
前置きをしてから、ケトンは言った。
「沈執事はとても裏表のある人だわ。お父さまや私の前では礼節をわきまえたふりをしているけれど、自分より立場が弱い下男や女中の前では随分とやりたい放題しているみたいよ」
案の定、娘は愛らしい面に怒りの、次いで痛ましげな表情を浮かべた。
「お父さま、今まで告げ口をするようで嫌だったから言わなかったけど」
前置きをしてから、ケトンは言った。
「沈執事はとても裏表のある人だわ。お父さまや私の前では礼節をわきまえたふりをしているけれど、自分より立場が弱い下男や女中の前では随分とやりたい放題しているみたいよ」

