この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ママ活
第4章 愛しのお姉様と姫とママ
四月最後の土日も明けて、ゴールデンウィークに入った。
明咲は、同僚の小川佳歩(おがわよしほ)と温泉旅館に出かけた。
学生時代は、休日を共に過ごすような友人がいなかった。あの母親との生活の中で、最低限身嗜みを整えることも至難の業で、劣等感から人との交流を避けていたのだ。
中性的な女を好む女子生徒らがポジティブな目を向けてくるようになって、コンプレックスは薄れたが、高校生活の約半分、明咲は佐和子のものだった。彼女と別れて自由になっても、その時間は亜純と過ごした。
つまり佳歩は、初めての親しい友人だ。
余暇の大半を佐和子達との予定に割いていた一方で、明咲は彼女との約束事を可能な限り優先して、仲を深めていた。
佳歩は、SNSの美容系アカウントを今も熱心に更新している。温泉旅館の周辺には、この土地ならではの観光名所が集っていて、STRAWBERRY FIELDSの春の新作、ブラウンの濃淡でリボン柄があしらわれたロングワンピースでめかし込んだ彼女は、スマートフォンのカメラアプリを使いこなして、それらを写真に収めている。
くりりとした丸い目に、柔和に端の上がった唇、白い肌──…胸まである黒髪を下ろしてカチューシャをしているだけで、か弱げで儚げな、且つ垢抜けた風情になる彼女には、明咲の憧れていたものが備わっている。妹がいて、彼女とは何でも打ち明けられる仲というのも、まるで別次元の環境だ。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


