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禁愛
第6章 事件・・・
再度、リビングに戻り、優に電話を掛ける…。

この時、優ではなく、亨か和歌子に電話をかけていれば・・・

何事も無く済んだのに…。

プルルルルル♪

「優!早く出て!お願い!」

「もしもし・・・」

電話に出たのは優では無かった。

「えっ・・・」

「奥さまですか?」

またあの女性…栞奈は慌てて電話を切る…。

「どうして?こんな時にあの人が出るのよ!」

恐怖心、不安感、孤独感が一気に栞奈を襲ってくる。

そしてまた、二階から。。。

ドンっ!と音が鳴り。


ビクッ!

「誰よ…誰か居るの?」

栞奈は怖くてたまらず、和歌子に電話をする。

何回かコールを鳴らしたが、和歌子は出なかった。

栞奈は泣きながら亨に電話を掛ける。

「どうした?」

亨は、すぐに出てくれた。

「立花君、助けて二階に誰か居るかも知れない…さっき大きい音がして」

「栞奈、落ち着いて…二階には一人で行ってはイケないよ…
 今からすぐに行くから、そこに居るのは危険だ、外に出ろ!喫茶店まで行く
 分かった?今から行くから、すぐに家から出るんだ。」

亨は慌てながら、でも落ち着いた声で栞奈に指示をする。

「分かった…。」

「一人で怖かったら近所に仲の良い人が居るって言ってただろ?
 その人の家で待たせてもらえ」

亨は以前、栞奈から聞いた和歌子の話を覚えていた。

「和歌子、電話に出ないのーー!」

「落ち着け!」

大きな声で言われ、栞奈はビクっとする…。

「もう一度かけてごらん。俺も行くから…分かった?とりあえずすぐに家から
 出るんだ」

「はい…」

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