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12歳年下の彼と同棲開始する話
第10章 嵐の様な夜が明けて…
スーパーで買って置いた
エテカレイの干物を
トースターで焼いて焼き魚にする。
換気扇は回してるけど、
エテカレイを焼いて
玉子焼きを焼いてると…
リビングの方にも…朝ご飯の
匂いが漂って行っていたようで。
『んん~、あぁ…、
めっちゃ寝たわ、ん?
おかん、朝飯できとんの~?』
匂いで目を醒ました來翔が
ラグの上で大きく伸びをして
大きなあくびをしながら身体を起して。
「す…すいません…、
お母さんじゃ…なくて」
『え?あれ?巴ちゃん?
ごっ…ごめん…ッ…、
実家にでも泊まった気分
なってしもっとったわ…。
なぁなぁ…巴ちゃんが
朝ご飯作っとーとこ…
しばらく…ここで見とってええ?』
そう言ってウォーターサーバーの
冷水を汲んでこっちに
來翔が持って来て、巴が
料理をしてる様子が見える
カウンターになっている部分に
座って水を飲みながらカウンターに
肘をついてこっちの様子を
ニコニコしながら見ていて。
「ちょっと…内緒で、
フライング…しますか?」
早炊きで炊いたご飯が…
そろそろ炊き上がる頃だったので。
炊き立てのご飯を塩だけの
おにぎりにラップを使って握ると。
玉子焼きの端っこと…、
買ってあるたくあんを2切れ
中ぐらいの皿に纏めて乗せて
カウンターの來翔の前に
お箸と一緒に置いた。
『フライング朝飯?』
「……あまり…じっと見てたので
…お腹空いてるのかな~と思って…」
後は…お湯で戻したひじきを
レンジで調味料とチンして
ひじきの煮物にする。
こう言う時とかお正月に
使えるかなって買って置いた
半月盆があるから、
その半月盆の上に小鉢に盛り付けた
ホウレンソウのお浸しと、
今作ったひじきの煮物。
長方形のお皿に盛りつけた
エテカレイの干物を焼いた物と
出し巻き卵を2切れずつ乗せて。
袋入りの味付け海苔を添える。
『それ、あっちに運ぶん手伝うわ
巴さんの作った朝ご飯、
なんか旅館の朝食みたいやな』
いつもは…港斗くんが
運んでくれるんだけど…
お盆を4つ…來翔さんが運んでくれて。
私は…卓上のIHコンロを
テーブルの中央にセットして
コンセントから延長コードを伸ばして
卓上コンロにスイッチを入れる。