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第5章 夏だ！テストだ！プールだ！

ピピピ…ピピピ…
けたたましい目覚ましの音で目が覚めた。
今日はいよいよプールに行く日だ。
「あらあら、りぃくんまた大変な…」
母親の声がする。
りぃくん…え、りぃちゃんきてるの！？
私は慌てて飛び起きて、いつもの部屋に向かう。
「まゆぅぅぅ…」
半泣きのりぃちゃんの目の前にはやはり大量のプリント。
隆也はすっかり呆れている。
母親はプリントをペラペラ見ながらこれはこうすればーと言っている。
「私、今日出かけるんだけど？」
「あら、母さんとたかくんで面倒見るのよ？」
とんでもない返事が返ってきた。
「気にせず行っておいで」
隆也が優しく笑いかける。
私の母親は、元々塾講師をしていたらしい。
だから、勉強を見るのは得意だそうだ。
「さぁ、りぃくん、特訓よー！」
このとおり、張り切っている。
「…ぐすん…」
「これで留年を免れるなら安いもんだろ？」
「…ぐすん…」
「りぃくん、泣いてる暇があったら少しでも解きなさい！」
ここは、修羅場だ。
「行ってきます」
そっと家を飛び出した。