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家庭教師のさよ子先生 誘惑のノースリーブ
第1章 あきとくんの中学受験 A1 つるかめ算より分かりやすい○○算
 京都市内の一等地にそびえ立つ大きな一軒家の前で、私はすーはーと深呼吸してから自分の身なりを確認しました。

 Fカップの胸元を押し上げる白のノースリーブシャツにキュッと締まったお尻を包む黒のパンツルック。みどりの黒髪のセミロングヘアも綺麗に整えてきて今日も準備は万端です。

 インターホンを押すと事前にZoomで面談していた生徒のお母さんが玄関から出てきて、日曜日の今日は開業医の仕事もお休みらしいお母さんは私を笑顔でリビングルームに迎え入れました。

「それでは今日からよろしくお願いします。改めまして私は個人営業で家庭教師をしています|鮎川《あゆかわ》|小夜子《さよこ》といいます。早速今日から授業をさせて頂きますね」
「こちらこそよろしくお願いします。公式サイトの自己紹介で見ましたけど鮎川先生って京都大学の医学生なんですよね? そんなにすごい先生が時給たったの3000円で小学生の家庭教師をしてくださるなんて、何だか申し訳なくって。大学のお勉強も大変でしょう」
「いえ、私大学の2回生になってから1年以上休学中なんです。私は人気の家庭教師になりたくて京大医学科に入ったんですよ」
「ええ……まあ人には色々な生き方がありますもんね。彰人は2階の自分の部屋におりますので好きなタイミングでお入りください」
「承知致しました。ところで確認ですが、私の授業時間中は……」
「ですよね、今から夕方まで外出しておりますので。たまには夫婦で食事にでも行こうと思ってるんですよ」

 私が家庭教師として生徒を教えている間は保護者には外出しておいて頂くことになっていて、夫婦で糖尿病内科の開業医をやっているお母さんは書斎で漫画を読んでいたご主人を呼ぶと夫婦仲良く外に出かけました。

 私にとって生徒の保護者はお金をくれるだけの存在以上ではないのでさっさと2階に上がり、幼児の文字で「あきとのへや」と書かれたプレートが下がっている部屋のドアをとんとんと叩きました。

 ドアを開けて出てきたのは私より頭2つは小さそうな細身のかわいい男の子で、彼はノースリーブ姿の私を見るなりドキッとした表情をしました。大変美味しそうないい表情です。
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