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君とメメント・モリ
第9章 クリスマスの朝、再び抱き合って
岸辺が宣言するように高らかに名前を告げると、死神は喉の詰まりが取れたような、解き放たれた表情をした。

「俺は、黒木翼」

「処分、というと聞こえは悪いが、長期休暇だと思って羽を伸ばして、普段できない経験を楽しむといいよ。海外旅行だって、結婚だってできるんだから」

岸辺はそう言うと、凛の方をちらりと見た。
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