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君とメメント・モリ
第10章 12月25日クリスマスの朝 オフィスにて
あの男の肌が恋しい。
熱を帯びた吐息が、凛の唇を温めた。死神とのキスを思い出しながらそっと指先に唇を触れると、ぞくっと下腹部に甘い稲妻が走った。

「凛」
突然呼ばれて、凛は飛び上がって振り返った。

給湯室の入り口に鳥海拓斗が立っていた。
ほっそりと長い手足を持つ拓斗は細身のスーツをまるでマネキンのように美しいシルエットで着こなしている。
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