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君とメメント・モリ
第11章 12月25日夜 復讐はクリスマスの夜に
窓を横目にドアを開ければ、キングサイズのベッドが中央に置かれたベッドルーム。

その部屋のガラスで仕切られた空間には、ちょっとしたプールにもみえるジャグジー付きの巨大なバスタブがあり、すでに張られた湯の上に赤いバラの花びらが揺蕩い、浴槽の淵にはシャンパングラスとボトルが、待っていた客人にウインクのあいさつをするかのようにきらりと光った。

「翼さん、どうやってこの部屋を」

「作家黒木翼の名義で、執筆の缶詰用に鳥居グループのホテルの部屋が確保されているらしい。コンシェルジュのほうから声をかけてきてこの部屋を案内してくれた」
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