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君とメメント・モリ
第3章 クリスマスイブは、やるせなさとともに
直感で拓斗ではないかと思った。せめて、夏美を介さずに直接に別れの言葉をくれるつもりで電話をくれたのかもしれない。ならばまだ、凛は救われるはずだった。

けど、物事はそう凛の思うようにはいかなかった。

電話を振動させたのはカード会社からの返済金額の通知メールだった。

ご利用金額二百万円。キャッシング限度額いっぱいまで借りた額だった。この他にも定期預金の口座も五百万円ほどマイナスになっている。けれども、自分で稼いだお金でマンションを買うのが夢だった凛は、この湾岸の高層マンションを単身で購入して月に二十万円のローンも組んでいる。キャッシングの返済のあては、全くない。
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