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きのうの夜は
第5章 天川村

丁度、お昼時だったので運よく営業を始めたばかりの様だった。
その店に入ってゆく。

店の作りは木造で軒がちょっと低くて宿場町の面影を残していた。
私たちは川沿いの窓がある席に陣取った。

窓の下には『天の川』が流れており、その水は物凄く澄んでいてニジマスなどが泳いでいた。
メニューを見てみると「ニジマス定食」なるものがあった。

私たちはそのニジマス定食を頼んだ。

「スゲー疲れたけど、ニジマス定食食べられて良かったな…」
「そうね、私ニジマス大好きだから…」

暫くすると、ニジマス定食が運ばれてきた。
大きなニジマスの塩焼きに小鉢、お漬物、ご飯にお味噌汁が付いていた。

とても美味しかったのを覚えている。
私たちは、疲れた身体をそこで少し休ませた。

聞こえるのは川のせせらぎと、木々を揺らすそよ風の音だけだった。
本当にのどかだと感じたものだ。

お腹も満たされて、疲れも取れて来たので山道を下って民宿に帰ることにした。
帰りはとても楽だった。

坂道を下るだけだったからだ。
まるでジェットコースターにでも乗っているかのような感覚で自転車を走らせた。

山から流れてくる冷たい風が気持ち良かった。
民宿に着くと、また部屋でお茶を飲んで寛いだ。

すると、民宿のご主人が聞いてきた。

「どこに行かれて来たんですか?」

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