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きのうの夜は
第11章 トライアングル
高山と二人だけで飲みに行ってから少し経った頃だった。
今から思えば、吉村は私たちが二人きりで飲みに行ったことを知っていたのかも知れなかった。

そんな中、高山はまた資料を渡してきた時にメモ紙を挟んできた。

「今夜、また自由が丘で飲みませんか?7時に改札口で待ってます…」

私は、高山に待って欲しいとお願いしたハズだと思っていた。
だが、高山はグイグイと私を押してくる。

高山を無駄に待たせてはいけないと思い、自由が丘に仕事が終わると向かった。
そこには、高山が満面の笑みを浮かべて待っていた。

「平井さん、ここです…」
「待った?」

「いや、そんなに待ってないですよ…」
「それより高山くん、ちょっと時間が欲しいって話したじゃない?」

「え?俺、もう待てなくて…」
「え?」

「さ、どこの店に行きましょうか?」
「どこでもいいわ…」

また少し自由が丘の駅周辺を歩いた様な気がした。
すると、今度は一軒の和風居酒屋を見つけた。

「ここにしません?」
「ええ、いいわよ…」

店に入るとちょっと狭い二人席に通された。

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