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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~
第6章 伍の巻
 欲情に薄く眼を翳らせ、嫌らしげな笑みを浮かべて公子に襲いかかってきた男、その男は力づくで公子を思い通りにしようとする自分が悪いのではなく、男を虜にする公子自身が悪いのだと言った―。
 そして今、公之までもがあの卑劣な男と同じことを言う。悪いのはすべて公子だと、公子が男の心を惑わせるから、こんなことになるのだと。
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