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その一言が欲しかったんだ
第5章 歯形
『すぐ、ご飯作るね』
『何も食べてないからお腹空いたでしょ?』



和也は足に繋がれていた鎖を
首輪と自分の手へ繋ぎ
莉奈をリビングへ連れていった




和也はキッチンへ立ち
調理を始めた


莉奈は最初ソファーで
体育座りをしてうずくまっていたが


和也の方から良い匂いがするので
恐る恐る和也の方へ近付いた


『ん?』
『もうすぐ出来るよ♪』



和也はいつもと同じ笑顔を浮かべ
莉奈の頭を撫でた



『莉奈ちゃん、今日買ってきた』
『袋の中に莉奈ちゃんの』
『お箸とかお茶碗とか入ってるんだ』
『取ってくれない?』


莉奈は逆らったら何をされるか
わからないという恐怖から
無言で言われた通り
箸やお茶碗を和也の元へ持っていく

『ありがと♪』
『よく出来たねっ』


和也は莉奈に軽くキスをした



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