この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ネコの運ぶ夢
第6章 お料理ネコ
「音子・・・どうした?」

声をかけると、ぽたりと、うつむいた音子の顔からしずくが落ちるのが見えた。よく見ると、肩が震えている。

泣いている?

涙のしずくはぽろぽろぽろぽろとめどなく落ちてくる。そのうち、ずびびっと鼻をすする音がする。何があったかわからんが、鼻はかめ。

音子にティッシュを渡すとこちらを見ずに受け取って鼻をかむ。うら若い乙女がズビズビ鼻をかむ姿はあまり見目よろしいものではない。

「何がどうした・・・。嫌だったか?」
尋ねると、音子は無言で大きく首をふる。
ぐいっと手のひらで涙を拭いてようやく顔を上げた。

鼻の頭が真っ赤で、なんとも悲惨な顔をしている。両の目はまだ涙が溜まってうるうるしている。

「いぢのぜさん・・・音子は・・・音子は・・・ごの恩はいっじょう忘れまぜん・・・。」

な、何だ一体・・・。遭難して海上で餓死しそうになった海賊に飯を出してやった料理人の気分だ。お前、昼飯食ったろ?

結局わけがわからないままだったが、音子は泣きながらハンバーグを最後まで食べきった。
/93ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ