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トライ アゲイン
第1章 序章

「ねえパパ…私さぁ、いつもパパにお世話になっているでしょ?
だから…何かお返しをしたいなぁ…なんて思っているの」

いつものようにレストランで夕食をご馳走になりながら、安祐美はさりげなくそのように尋ねてみた。

「そんな気を使わなくていいんだよ
お父さんは安祐美とこうして食事をしてもらうだけで充分なんだからさ」

「でも…」

「そうだなあ…そこまで安祐美がそう言ってくれるなら、一緒に温泉にでも行きたいな
あ、もちろん混浴したいとかそんな下心はないよ」

そんな風にトントン拍子に話が進み、
その週末には彼の車で箱根温泉に出掛けたのだ。

混浴なんて望んでいないよと言っていたにも関わらず、その旅館に家族風呂と称して貸し切りの温泉があるとわかると「ねえ…一生のお願いだから混浴してくれないか?」と誘ってきた。

安祐美としてもあと一年で大学生活も終わり
就活に本腰を入れなければならないので
これが最後のパパ活だと心に決めて
最後に彼の目に裸体をさらしてもいいと覚悟した。

ロビーで貸し切り風呂の鍵を受け取り
いそいそと二人して浴場に向かった。

「あのロビーの人…
絶対に私たちを親子と思っていないわよね?
パパ活でお忍び旅行ってバレバレよね」

「バレたって構うものか
俺が安祐美に惚れているのは紛れもない事実なんだから」

「えっ?」

何かの聞き間違いだと思ったその後、
鍵を開けて貸し切り風呂の脱衣室に連れ込まれると
近藤祐介は、いきなり安祐美に抱きついてきた。

「ちょ、ちょっとパパ!」

「いいだろ?な?いいだろ?
今までお前にどれ程貢いできたと思ってるんだ?
それもこれもお前を俺のモノにするためさ!」

ヤニ臭い分厚い唇であっという間に安祐美の唇が塞がれた。

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