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彼女はボクに発情しない
第30章 交響曲 ”彼女はボクに発情しない”
もうすぐ退院というある日のこと。長くお世話になった病室を片付け始めていた。ずっと私の面倒を見てくれていた主任看護師のエミリエも手伝ってくれる。

「What's this paper bag? It looks like it's been here for a while.(この紙袋は?ずっとあるみたいだけど)」

そう、病室の机の上には、日本を発ったあの日、優子ちゃんからもらった紙袋がそのまま置いてあった。

「I received this present from a classmate when I left Japan. I never had the chance to open it so I just left it.(日本で、クラスメートからもらったの。なんだか開けられなくて)」
「Ah! God!? That's not okay, Kanade! People's souls reside in presents!(ああ!なんてこと!?それはダメよ、奏!プレゼントには人の魂が宿ってるんだから!)」

促され、ちょっと考えた末に、開けてみることにした。
記念品はポーチだった。多分、優子ちゃんが選んでくれたのだと思う。お化粧品とか小物とかを入れるための、紺色のポーチ。おしゃれで、結構いいやつだと思う。

そして、寄せ書き・・・。

正方形の色紙いっぱいに、色とりどりのペンでクラスの人たちからの言葉が書かれている。

『病気、絶対治してね! 倉橋佳苗』
『負けんなよ!また、一緒にカラオケ行こうぜ! 霧島弦次』

佐伯先生や壬生先生まで書いてくれている。

『あなたは素晴らしい生徒でした。あなたの未来が、明るいものであるよう、祈っています。 数学科 壬生浩二』
『四宮さんに言いたいことはたくさんあります。ありすぎて、ここには書ききれないくらいです。だから、必ず帰ってきて、私の所に元気な顔を見せに来てください。その時は、3時間位、時間を取れるようにして! 社会科 佐伯航一郎(2B担任)』

温かい言葉に涙が溢れた。
エミリエがそっと肩に手をおいてくれる。
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