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彼女はボクに発情しない
第9章 ボクと歌姫たちの三重奏
4人目は笹本さんである。彼女のことはよく知らないが、体育のときもそれほど目立っていた印象はないので、運動はそれほどでもないような気がする。部活動も確か英語部とかだったような・・・。

カッキーン

考えている間に笹本さんのバットが快音を鳴らす。ジャストミートした打球はぐんぐん伸びてホームランゾーンをかすめる勢いだ。

え?

続く第2球、第3球ともに同じくらいの好打球である。

え?え?

おっとりしてて普段目立たない女の子の突然の豹変ぶりに、私の頭がついていかない。そうこうしているうちに、11球目に盛大なファンファーレが鳴り響く。

「ホームラン!」

機械音声が笹本さんのホームランを告げ、彼女は小さくガッツポーズをする。
うそ・・・?!
結局最後まで笹本さんの快進撃は続き、20球中、外したのはたったの2球。記録は18球、内1球はホームランという好成績だった。

笹本さんは晴れ晴れとした表情で大槻さんとハイタッチをしている。そして、ちらっと未だお腹を抱えている陽太を見てにっこりと笑った。

それを見た瞬間、私の中である仮説が頭をもたげてきた。
あまり、考えたくない仮説だった。

思い出す。

考えてみれば、試験前に霧島くんを経由して陽太を誘ったのは大槻さんと笹本さんではなかったか?
勉強会をしようと誘ってきたのもこの二人だ。
そして、このゲームを提案したのは大槻さんだ・・・。

全部・・・全部が仕組まれていたとしたら?
笹本優子が陽太とデートするために仕立てられたのだとしたら!?

私は混乱した。
単に友達として陽太と遊びたい、と思っているだけならまだしも、明確に陽太を狙っている女性を眼の前にしたのは人生で初めての経験だった。無意識に、二人は勝ったら霧島くんを選ぶのだとばかり考えていた。

瞬間、先日の手足が冷たくなる感覚が蘇ってくる。
陽太を失ってしまうのではないかというリアルな恐怖だ。

もしも、笹本さんがゲームに勝って、陽太をデートに誘って、そしてそのまま二人がお付き合いすることになってしまったら?

ダメだ。対処法は愚か、そういった未来を具体的に考えることすら出来ない。
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