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彼女はボクに発情しない
第10章 恋する乙女のための小夜曲
☆☆☆
ボクは結局、自分が何に悩んでいるのかもよくわからないうちに優子とデートをする日、当日を迎えた。

10時に駅前にある銅像の下で待ち合わせだ。この像、何の像かわらないが、ボクが物心ついた時にはすでにあったものだ。天に手を伸ばすような女性の裸身像で、目立つので待ち合わせにはもってこいだ。

少し早く着いてしまったので、その像を見上げる。
銅像なので顔かたちははっきりしていないが、その体の緩やかな曲線、凛として手を伸ばす様子はなんだか奏を思い出させた。

5分ほど待つと、優子らしき人影が見えた。
よかった。少なくともドッキリではないらしい。
って、いうことは・・・どういうことだろう?

「あ、ごめんなさい。私、遅かった?」
優子は学校にいる時とは違い、髪の毛を下ろしている。そうすると、いつもの2倍以上、女子っぽく見えるから不思議だ。

ブルーのノースリーブに近いトップスに、オフホワイトのキャミソールワンピース、白いつば広帽という爽やかないでたちだ。メガネも普段かけているのとは違い、すこし大振りでフレームがブルーのものだった。服とコーディネートしているようで、すごく似合っていた。

「え、いや、ぼ・・・ボクも今来たところで」
普段とは違うクラスメートの姿に戸惑ってしまい、返事が遅くなった。

「今日は、来てくれてありがとう。」
優子がにっこりと笑う。優子の顔をまじまじと見るのは、考えてみれば初めてだ。
いや、それを言ったら、奏以外の女の子の顔をこんなに間近でしかも一対一で見たことなどあっただろうか?

「どうしたの?高山くん」
優子が不思議そうにする。いかん、ちょっと呆けていた。
「あ、や、その・・・いつもと違って、なんというか、す・・・素敵だなって」
あれ?なんかボク、変なことを口走ってやしないか?妙なことを言って、張り手が飛んで来たらどうしよう。

優子が顔を真っ赤にしてうつむく。
肩掛けのバックをぎゅっと抱きしめるようにしてもじもじする。
いつもの奏との会話の癖で、思わず身を固くするが、全く違う反応が返ってきたことで、さらに動揺してしまう。

「あ、いや、ええと・・・変な意味じゃなくて・・・だから」
ああ・・・何してんだ、ボクは。

「と、とにかく、行かない?ここ、暑いし」
苦し紛れに言うと、優子は小さくうなずいた。
こうして、ボクと優子のデートが始まった。
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