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ココロのアナ
第11章 過去


「っ…何勝手にかえってんだよ…
俺が…来るっていった…だろ…ハァハァ」



息をきらしながら俺の肩をつかむ旭は
続けてこう言った


「いいか…何も考えるな…
俺がどうにかしてやる」



何をどうするんだよ…
俺何を忘れてるんだ…



「あ…旭…俺…覚えてないんだ
こんなんしたの…旭ぢゃないよな…」



何も答えない旭は
手を引っ張り家から引きずり出す
でも…あの光景が目から離れない

無理矢理車に押し込まれ
やっと旭が口を開いた



「何しにきたの?」



「あっ…え…車…」



「そんなの一緒にこれば良かったのに…」


ため息を付き煙草に手を伸ばす。



「何で旭はここにきた…」



「GPS…修の動きは把握しとく必要がある」



「何でだ…」



「こーゆー事になるだろ」

少し怒鳴り気味に言う旭の顔は
決して怒っている表情ではなく
悲しそうだった…



「…そっか…分かった。旭帰ろう」



車が走り出し
流れる景色だけを眺める
外は寒く
車内も冷えた空気が二人を包む…。



お互い何も語らないまま…。



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