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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第3章 四神の最高位【玄武】
「ねぇ、昨夜は本当に忍び込んだの?」

「……………。」






鈴蘭がいなくなって、やっと聞きたい事を聞けると意気揚々な顔で、舞鶴は体を寄せながら胡蝶に聞いてきた。

それに対して、胡蝶は止めていた手を動かして、舞鶴に答える事は無く洗濯を続けた。






「……別に、面白い事は何も無かったよ。」

胡蝶はそう言うと、洗濯物をパンと大きな音を立てて叩いた。

話してくれない胡蝶に、不満を表す様に舞鶴の頬が膨らんだ。






なんだかその舞鶴の顔が可愛くて、胡蝶はフッと笑って洗濯物を持って舞鶴から離れた。






離れていく胡蝶の姿を、舞鶴はずっと見送っていた。

胡蝶に感じた昂りは、ハッキリと自覚出来る。

彼女は絶対に誰かの寵妃になる。






それは誰なのか。

もしくは、あの『胡蝶』の様に……。






「舞鶴。」

舞鶴が物思いに耽っていると、背後から彼女を呼ぶ声がした。






その声が誰だかすぐに分かって、舞鶴は瞬時に振り返る。

「すっ朱雀様!!」






舞鶴が驚きの余り口元を手で覆った。

そんな慌てる舞鶴を、朱雀は柔らかい笑みで舞鶴に近付いてくる。





「相変わらず、下っ端の仕事だけするんだね。
舞鶴がよかったら、俺の屋敷に来ればいいのに。」

ニッコリ笑って舞鶴に話す朱雀に、彼女の顔は真っ赤になった。







「……私は……今の立場で十分です……。」

実は、舞鶴は朱雀の他にも寵妃にならないか打診された事もある。

だけど、それを断って今の位置にずっと居るのだ。






朱雀は舞鶴の答えが分かっていた様に、フッと笑った。

「……舞鶴はそう言うと思った……。」






あの日、『胡蝶』を見送った時。

舞鶴もまたその場に居た。



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