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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第3章 四神の最高位【玄武】
大好きな朱雀にそう言われて、舞鶴は顔を更に赤らめた。

そんな表情を見せた舞鶴に、朱雀は桔梗に見せた様な愛おしい目を舞鶴にも向ける。






再び朱雀のキスを受けた時は、もう争う事はしなかった。

先程よりしっかりと腕を回してくる舞鶴の体を抱き上げた。

そしてそのまま朱雀は舞鶴を自分の部屋に連れて行った。






ここ桃源郷では、いつも何処かで彼らとの秘め事が行われている。

ここはそんな甘い場所。

一時の夢の時間の中で、男も女人も過ごしている。







舞鶴と離れて、胡蝶は自分の持っていた洗濯物を干していた。

自分の洗濯物を干し終わると、沢山の着物や布が風にヒラヒラ靡いているのを見ていた。






そして柔らかい芝生にバサっと横になった。

見上げた空はまた前世とは違う昼間の色をしていた。






太陽は無く、丁度良い気温に胡蝶は風を受けながら目を細めた。

広がっている空の色はピンクからオレンジの薄いグラデーションが広がっていた。

雲らしきモノも見えるが、流れているのでは無く、ただそこに薄っすらと浮かんでいる感じだった。






不思議な光景だが、何故か心地よく少しウトッと胡蝶の体は安らぎを求めた。






昨夜あんな光景を見たせいでろくに寝れていなかった。

気持ちよくうたた寝を出来そうなのに、胡蝶はやはり朱雀を思い出してしまい、ポケットの中にある蘇りの玉に触れた。






「お前が【胡蝶】なのか?」






声が聞こえて、胡蝶はその声の方に顔だけ向けた。

この空と一緒の薄いピンク色の髪の毛は少し癖っ毛で、少し垂れた目が可愛い印象を受けた。






目の色は薄いピンク色で、髪の毛と同じ薄い着物は彼によく似合っている。

柔らかい印象だが、はだけている胸元には亀に蛇が巻き付いているタトゥーが少し見えた。



 



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