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幻影の胡蝶 〜桃源郷の寵妃達〜
第3章 四神の最高位【玄武】
「このまま俺の部屋に行こう。」

スリっと舞鶴の頬を朱雀の頬が触れた。






ゆっくりと朱雀の顔が近付いて、舞鶴の唇に朱雀の唇が触れた。

軽く触れた唇はすぐに舞鶴の唇を開かせて、割った唇の中に朱雀の舌の感触がした。






柔らかい舞鶴の唇を味わう様に、朱雀の舌は舞鶴の口の中に入ってきた。

「……ん……。」

苦しくなる位に口の中いっぱいで動く朱雀の舌に、舞鶴から声が漏れた。






しばらく朱雀は舞鶴の唇を堪能すると、唇を離れて今度は彼女の首元にキスをする。

朱雀の唇や舌が自分の首筋を喰んでいると、朱雀の着物を舞鶴が強く握った。






「……朱雀様…。」

舞鶴は彼の柔らかく細い髪の毛を撫でる様に、彼の後頭部を掴んだ。

それを合図の様に、朱雀は舞鶴の着物の襟を少し開けて、現れた胸元に今度は唇を落とした。






ゾクゾクッと、刺激が舞鶴の体を走った。

立っているのが辛くなってきて、横になって思い切り朱雀に抱き締められたくなる。






「……鈴蘭を…気にしてあげてください……。」

朱雀の行動に熱がこもらない内に、舞鶴は彼の顔を優しく撫でた。

胸元から唇を離して、朱雀は舞鶴の顔を覗き込んだ。






「……お前はいつも他の女人の事ばかりだな…。」

「……………。」






舞鶴の態度に少し苛立った朱雀は、目を顰めて舞鶴を見た。

そんな朱雀に、舞鶴は眉を垂らして苦笑する。






いつもは大抵そこで朱雀の行動は止まっていたが、今日はそうでも無かった。

朱雀は余計に舞鶴を強く抱き締める。

「……今は舞鶴と一緒に居たい…。」






その後は鈴蘭にも気を使うから、どうしても彼女と肌を重ねたかった。


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