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天狐あやかし秘譚
第116章 疑心暗鬼(ぎしんあんき)
「映像はこれだけです」
御池が言った。メタファイルなどを調べても、この画像以外の情報はDVDには記録されていなかったということだった。

「場所は?これ、どこかわかったの?」
「今、確認中ですが、もしかしたら鞍馬山にある測候所跡かもしれません。映っている建物の様子を見ても、相当古そうでしたから」

画像は東京の本庁にもすでに転送されており、土門のもとでも解析が進められているそうだ。

土門さん・・・宝生前さんのこと、すごく心配だろうな・・・。

土門さんが宝生前さんと付き合っているという噂は随分前からあちこちで囁かれていた。聞いた時は私も半信半疑だった。でも、ある時、ちょっと土門さんにそのことを切り出してみたら、あのいつも冷静な土門さんがこれ以上ないってくらいあたふたしていたので、『ああ、本当のことなんだな』と分かったのだ。

あと、同じ占部衆の日暮も御九里と付き合っているという噂だ。きっと日暮もまた必死になってDVDの解析に当たっていることだろう。

私が心配そうにしていたからだろう。ダリが、
「我が行って、この女を切り裂けばよいか?」
と言ってくれた。
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