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罪女磔刑
第3章   罪人 長澤 慶子  
私は彼の事がいつも心配でした。
体の事も、彼の強すぎる責任感の事もです。
私は彼の事をいつも想うようになっていました。

でも私は付き合っている人がその時はもういました。
同じゼミの人です。

ゼミの人と付き合う事にした時は、後輩の彼の事はまだ意識していませんでした。
年下の後輩の子としか思っていませんでした。
その時はまだ、後輩の彼の人間としての強さ、人間としての大きさに私は気付いていませんでした。

後輩の彼への想いに気付いてから、私は辛い思いでした。
同じゼミの人とは一緒にいて楽しかったです。
でも私が苦しいくらいに一生懸命に想っていたのは後輩の彼でした。

私はゼミの人と一緒にいても、いつも後輩の彼の事が心配でした。
いつも彼の事を考えていました。

彼の側で彼を助けたい
怪我をした体を、私の手で手当てしたい
誰にも話さない彼の辛さを分かってあげたい
そう思っていました。

私は、彼だけの私になりたいと思っていたのです。
なのにそれが出来なくて苦しかったです。

私には、ゼミの人と別れて後輩の彼を選ぶ勇気がありませんでした。

私は卒業して、その後 後輩の彼と会う事はもうありませんでした。
2年後に私は別の人と結婚しました。
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