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鼻フックパーティーの午後
第5章      
 麻里子の後ろに立っているY氏が、「さぁ、どうぞ触ってやって下さい」と、柔らかく、麻里子を慈しむような声で言った。Y氏と麻里子とは、親子ほども年が離れているだろう。手塩にかけた自慢の娘を嫁にやる気分のようなのかもしれない。Y氏の声に反応して、うつむきかげんだった麻里子は膝立ちのポーズのまま、その三方向鼻フックで限界まで広げられた鼻の穴を、僕の真正面に向けた。そして口をやや開き気味にして、僕の次の行動を待ったのだった。

 僕は麻里子の目を見つめながら、震えそうになる手を麻里子の頬に当ててみた。横からの鼻フックの紐で、頬も締めつけられて肉が盛り上がっている。弾力のあるその部分を撫でながら、僕はそろそろと、その指先を麻里子の鼻の方に近づけた。そして、人差し指で、鼻フックが強烈に食い込んでいる鼻の穴の入り口をなぞるように、そっと触ってみた。そこはもう、人間の鼻の穴ではない。何か別の物体、というか器官のような感触がした。例えて言うならば、麻里子の性器そのものに思えた。他のマニアたちも、そう感じたのかもしれない。僕は麻里子の変形した鼻の穴を舐め回したい衝動に襲われたが、そこはぐっとこらえて、まず一枚、麻里子の豚鼻を指で触りながら、片手でシャッターを切り、その光景を写真に収めた。それから、指先を少し、麻里子の鼻の穴の中に入れてみた。内側を触ると、そこはわずかに湿り気があり、鼻毛が指先に触れてくる。鼻フック姿の女性はもちろん初体験の僕にも、だんだん気持ちのゆとりが生まれてきた。僕は麻里子の鼻の穴の内側を触りながら、もう片方の手で麻里子の胸を触った。麻里子が身体をびくっと震わせた。それから数枚、麻里子の鼻フック顔を中心に写真を撮ったが、後で見直してみると、手ぶれや麻里子の動きのせいで、大半はピンぼけ写真なのだった。
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