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My hero(マイヒーロー)
第1章 My hero(マイヒーロー)
4
「あ、いや、ち、違うわよっ」
わたしはすかさずそう返すのだが…
その声音があまりにも弱々しくて、
否定にはならないくらいであった。
男にフラれた…
実は…
そう、もう3年間も付き合ってきた男に、いや、わたし的には真剣に結婚までをも考えていた彼にフラれてしまったのである。
それも、その彼氏はひと回りも歳下の若い女と『浮気』をしたのだ…
そしてわたしはその女の若さに激しく嫉妬をし、改めて自分の年齢の重さを実感してしまい…
そんな傷心の痛手を心に秘めて帰ってきたのである。
「ふふ、ウソよ、嘘…
今のアンタの顔にはそう書いてあるわよ」
すると母親は自信たっぷりな顔をして、そう言ってきた。
「え、そ、そんな…」
そんな筈は……あったのだ。
「アンタはさぁ、昔っからそんな感じにすぐに顔に出るからさぁ…
私にはよぉく分かるのよねぇ」
あまりにもズバリと云われてしまい、返す言葉が見つからない。
「あぁっ、きゃあぁ、また打ったぁ」
すると突然、母親は急にそんな嬌声の歓声を上げてきた…
それは、テレビの向こう側にいる母親曰くの『ヒーロー』であるメジャーリーガーの選手が、またホームランを打ったようであったから。
「きゃあ、うわぁ、すっごぉい」
母親は小躍りしてはしゃぐ。
「…………」
そして…
わたしにはそんな母親の様子が、羨ましく思えてきていた。
なぜなら母親は、そう、昔からそうであったから…
この母親は、この女は…
それはソレは昔から明るく、とにかく明るくて、全てが前向きなポジティブな人…
そんな女、母親なのであったから。
それがわたしの目には…
羨ましく、そして明るく、いや、眩しく輝き、ううん、キラキラと煌めいて見えてきていた。
『お母さんみたいになりたい、ううん、なれたらいいな…』
そしてわたしは今、そんな母親を見てそう心の中で思ってしまう。
すると突然…
「なれるわよ、うん、なれるわっ」
まるで、そんなわたしの心の中の声が聞こえたかの様に言ってきたのである。
「あ、いや、ち、違うわよっ」
わたしはすかさずそう返すのだが…
その声音があまりにも弱々しくて、
否定にはならないくらいであった。
男にフラれた…
実は…
そう、もう3年間も付き合ってきた男に、いや、わたし的には真剣に結婚までをも考えていた彼にフラれてしまったのである。
それも、その彼氏はひと回りも歳下の若い女と『浮気』をしたのだ…
そしてわたしはその女の若さに激しく嫉妬をし、改めて自分の年齢の重さを実感してしまい…
そんな傷心の痛手を心に秘めて帰ってきたのである。
「ふふ、ウソよ、嘘…
今のアンタの顔にはそう書いてあるわよ」
すると母親は自信たっぷりな顔をして、そう言ってきた。
「え、そ、そんな…」
そんな筈は……あったのだ。
「アンタはさぁ、昔っからそんな感じにすぐに顔に出るからさぁ…
私にはよぉく分かるのよねぇ」
あまりにもズバリと云われてしまい、返す言葉が見つからない。
「あぁっ、きゃあぁ、また打ったぁ」
すると突然、母親は急にそんな嬌声の歓声を上げてきた…
それは、テレビの向こう側にいる母親曰くの『ヒーロー』であるメジャーリーガーの選手が、またホームランを打ったようであったから。
「きゃあ、うわぁ、すっごぉい」
母親は小躍りしてはしゃぐ。
「…………」
そして…
わたしにはそんな母親の様子が、羨ましく思えてきていた。
なぜなら母親は、そう、昔からそうであったから…
この母親は、この女は…
それはソレは昔から明るく、とにかく明るくて、全てが前向きなポジティブな人…
そんな女、母親なのであったから。
それがわたしの目には…
羨ましく、そして明るく、いや、眩しく輝き、ううん、キラキラと煌めいて見えてきていた。
『お母さんみたいになりたい、ううん、なれたらいいな…』
そしてわたしは今、そんな母親を見てそう心の中で思ってしまう。
すると突然…
「なれるわよ、うん、なれるわっ」
まるで、そんなわたしの心の中の声が聞こえたかの様に言ってきたのである。