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年の離れた妹
第2章 アパート
それから数週間後の週末の夜、アパートに戻ると妹からSMSが入った。僕も妹もお互いの番号を家族として登録してあるが、ラインやメアドは知らなかった。そしてSMSにはただ一言、電話していい?とメッセージがあった。僕はまた、あの夜の妹の泣き顔を思い出していた。

僕がいいよと返信すると、すぐに電話が鳴った。妹は明るい声で元気?と訊ねてきた。僕は明るい声の裏に、何かあったことを察していた。どうした?と訊ねると、返ってきた妹の声は震えていた。兄ちゃん…そのひと言だけを絞り出すと、恵津子は言葉を失していた。僕はその夜、妹を迎えに出かけていった。それは夏の暑さが残る、蒸し蒸しする夜だった。

妹は僕のアパートの、ほんのすぐ近くまで来ていた。夜も12時近くになり、終電ももうすぐ終わる時間だった。

「兄ちゃんいなかったら、どうするつもり?」
「いるかな?って」
「もしいなかったら?」
「兄ちゃんなら…なんとかしてくれるって思った!」
「バカ!w」
妹は僕と会えたことで、ほっとしていた。頭を軽く叩くふりをした僕に、ペロッと舌を出した。さっきの電話と違い、口調に明るさが戻っていた。

妹はその夜、紺色の裾の短いワンピースを着ていた。肩にブランドもののバッグをかけ、黒いパンプスを履いた姿は立派な働く女性に見えた。しっかり化粧もしており、ウェーブのかかった長い茶髪をなびかせ、僕の隣を歩いていた。ヒールのせいか、170センチ足らずの僕と視線があまり変わらなくなっていた。いつものTシャツと短パン、サンダルを履いた僕は、すれ違う人たちの奇異な視線を感じていた。ただ、それは僕の自意識過剰だったかも知れない。それほど僕の小さな妹、恵津子はもう完全に大人になっていた。
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