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イけない王子様と魔女
第1章 1
突然、あたしの家の前に馬車が止まった。
こんな辺鄙な場所までやってくる人は……実は多かったりする。
皆様悩みを抱えているわけ。
大体下半身の悩みやら恋の悩みやら……
そこで、エロ系を専門にしてるあたしのところには結構たくさんのお客がこっそりと来るのだ。
しょぼい馬車で来たのは多分お忍びの貴族かなにかだろう。
一応こちらも仕事としてやっているので挿れていたディルドをにゅるっ……と抜く。
もう少しでイけそうだったのに!
自分に魔法をかけて清め、何食わぬ顔で応対する。
降りてきた貴族は予想以上に身なりが良かった。
なんだか嫌な予感がする。
要件を聞いてもはっきりしない。
そして貴族ではなく王宮の遣いだったのだ。
ただひたすら「王宮に来て欲しい、魔女様のお力をなんとかお借りしたい」と切実な様子で、尚更嫌な予感が増す。王宮って……貴族じゃないじゃん!
王族じゃん!?
しかも「できることならば今すぐ来て欲しい」ってなにごと?
「……王様への謁見とかは必要ですか」
「……いや、必要ないんだ。ある方を内密に助けて欲しい」
「……えーと、紅茶とか飲みます?」
「……お気遣いだけ頂きます」
疲れ切ったような、半ば諦めたような使者の様子が可哀想に思えて、半分は気まぐれだが請け負うことにした。
「本当ですか!?」と音を立てて立ち上がり
「ありがとうございます……ありがとうございます……」と泣きはじめた。
性は生に通ずるもの。
どんな悩みかいまいち聞き出せなかった私は、媚薬やら何やら雑に鞄に詰め込んで、外はボロかったのに内装は高級な、あるあるな馬車に乗せられて王宮へと向かった。
申し訳なさそうに使用人用のドアへと案内され、足早に、しかし静かに、ある一室へと一直線に
案内される。
そこにいたのはまだ年若い男で、思いっきり自分のブツを扱いていたので、さすがのあたしも少しびっくりした。豪奢なベッドで息も荒く耽っているが、なんだか様子がおかしい。こちらを見ない。どこも見ていない。
それに濃密な魔力を感じる。
………………股間に
「それで私にどうしろと」
……動揺し過ぎて直球な言葉が出てしまった。