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第21章 入社当時

私が会社に入社した頃のことを書きます。

私の部署には、1年上の先輩で水野さん（仮名）という方がいらっしゃいました。水野さんはすこし難のある人で、部署の人達から敬遠されていました。水野さんは仕事をに対して熱心とはいい難く、いつも言い訳を繰り返す人でした。

部署には大島さん（仮名）という年長の方を中心にした数人のグループがありました。
大島さんのグループの人達は水野さんのことを嫌っていました。グループ内でいつも彼女の陰口を言い合っていました。

ある時、私は大島さんに言われました。
「水野さんが有給を取る時、彼女のカバーはしなくていい。業務の助言を求められても「分かりません」と言って。水野さんには無視でいいから。」
大島さん達は、水野さんを嫌がらせの対象にしていて、私もそれに加担するように求めてきたのです。

私はそこまでするなんて、とは思いました。
嫌がらせはするのもされるのも嫌でした。
リーダー的な大島さんから上から目線で指示されるのも嫌でした。

でも私には勇気がなかったのて、大島さんには何も言えませんでした。

そして大島さんから指示されたその場面は、果たしてやってきました。

水野さんが有給を取る際、仕事の依頼は誰のところに行っても断られるのでした。
結局私のところに来ました。
私は断れなくて引き受けました。
それが人として普通の事だと、その時は思いました。