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第9章 ８月

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「　明日　また昼から　」

綾乃は沢入の声に意識を戻し、立ち上がり
頭を下げ　家路を急いだ、　帰りのバスの車中
ビデオカメラを前に　沢入が暗示をかける様に
言われた表情を繰り返し、何度も笑い、何度も
涙を流した記憶が　うろ覚えの二時間の記憶に
頭を振り、今夜のメニューに心を切り替えた

「　カレーの匂い！！　」

仕事から帰って来た康二が　鼻を動かし
嬉しそうな声を出した　何時もの成田家の
夕食が、夕食が終り康二は電話の子機を抱え
寝室に、祭りが近く成り、連絡が増え
週に二度程は、集会場での打ち合わせに

九時に成り康二が寝室から、子機を抱え出て来て
綾乃と子供達が体を動かす姿に目を丸くして　
綾乃が横向きに体を倒し、手と右足で体を持ち上げ、
左足をお腹迄曲げる仕草を真似て、バランスを崩し
壮馬と悠馬の笑い声が、上がった

康二が声を掛け　三人が浴室へ、綾乃は手早く
片付けを済ませ、子供達が寝室へ向かい
綾乃は浴室に入り、汗ばんだ体をソープで流し
浴槽に体を沈め、昼間の遥の言葉を思い出していた　

・・・来月から出張が・・・

・・・　何処に？　・・・・

疑問が頭の中を駆け巡って来る　社長との一年間の契約、
今日遥が購入した下着の際どいカット　煽情的なデザイン　
アダルトショップで　購入した下着　来月からの仕事が
男達の為に　自身の体を使う為の　トレーニングだと
湯船の中、揃えた白い太腿を眺め、浴槽に涙が波紋を

康二を責められない、一年過ぎたら・・・
康二に全てを話して

緑の紙に、名前を・・・・・