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ユイとルイ
第2章 結衣子
「ユイちゃん…また化粧した?」
「うん、した!ガッツリ!!」
また急にテンションを上げた結衣子の笑顔に、私は思わず笑っていました。しかしメイクした結衣子の顔は母親にそっくりで、私は一瞬真顔になってしまいました。

「ユイのメイク、やっぱ変?」
「…変じゃないよ」
「バー、行ける?」
結衣子の必死なセリフに、私はまた笑ってしまいました。思わず頭を撫でた私に、結衣子もいつもの悪戯な表情に戻りました。

「ユイ、18歳…女子大生ってことにする!」
「詐称しなくても大丈夫だと思うよ、ユイちゃんw」
私の言葉通り、リゾートホテルのバーは結衣子をすんなり入れてくれました。カウンターで並んで座ると、結衣子は興味津々でメニューを眺めていました。

「ユイとお父さん、どんなふうに見えるのかな?」
「単なる親子だと思うよw」
「バーテンダーさんに聞いてみる?」
ノンアルしか飲んでいないのに、結衣子は少し酔った風になりました。私はウイスキーを2杯飲んでいましたが、結衣子と一緒では全く酔えません。

「バーの人はお客のプライバシーなんて聞かないよ」
「えー、そうなの?」
私たちの会話を聞いていた若い女性のバーテンダーが、笑顔で頷いていました。

「さあ、そろそろ帰ろうか?」
「じゃあ、お父さん…次はトランプだね」
「ユイちゃん、明日もあるからな…」
さすがに疲れから睡魔に襲われ、私は結衣子を連れて部屋に戻りました。そしてシャワーを早々に浴び歯を磨き、パンツを履くとバスローブを纏いました。

「お父さん、寝るから」
「うん…お父さんのパジャマもあるよ」
バスルームを出るといつの間にかパジャマに着替えた結衣子が、ベッドでスマホを弄っていました。
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