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こんなに晴れた素敵な日には先輩の首を絞めたい
第3章 第2話 飴と鞭とお金
「ははあぁ……これが私の人生初の……はあぁぁ……」
「西川さんさっきから何見てるの? もしかしてお給料明細?」

 実家が大阪府内にあり、鳥取県の山陰大学の医学部医学科を卒業してから大阪の大学病院に帰ってきた西川さんは先ほどからスマホを見ながら|恍惚《こうこつ》とした表情をしていて、表情一つ変えずに彼女のスマホを覗き込んだ解川さんは画面を見て尋ねた。

 畿内医大病院ではお給料の振込日は毎月25日で、昨日の深夜24時を過ぎた直後に口座に初任給が振り込まれたことは私もメール通知で把握していた。


「そうそう、これが私の人生初のお給料! 大学時代バイトとかしてなかったから本当に嬉しくて。お医者さんってこんなに貰えるんだ~、ちなみにサクラちゃんはおいくら?」
「30万円ぐらい。ていうか初月は皆同じだと思う。残業代は来月からだし」
「本当!? ってことは来月からもっといっぱい貰えるんだ~。嬉しいな~。サクラちゃんはこのお給料何に使うの?」
「友達とシェアハウスしてるから家賃は安いけど貯金しとくと思う。この先何かと|入用《いりよう》になると思うから」
「俺は奥さんと息子に何か買ってやりたいな。まあ|美波《みなみ》なら将来の学費に備えて貯金しとけって言いそうだけど」

 大学時代からの親友とシェアハウスしているという解川さんと在学中に歯学生の彼女と出来婚したという物部君は理由こそ違うけど初任給は貯金しておくと答え、私はここでも初任給を貯金する余裕がある彼女らを羨ましいと思った。


 畿内医科薬科大学病院は私がマッチングで第4位に登録していた大学病院で、私が大学病院として唯一この病院に出願していたのはお給料が大学病院としては高いことと受験生を出身地や出身大学で差別しないことが理由だった。

 選考がほぼ100%筆記試験の点数で決まる畿内医大病院は大学の成績はそこそこよかった私にとって滑り止めにするには最適な大学病院で、面接でも優しい質問しかされなかったので病院側はマッチングで私に高い優先順位を付けてくれていたらしい。

 私の実家からは電車で1時間以内で通えるから絶対に下宿しないといけない訳ではないけど、どうしても実家から離れたかった私は安いワンルームアパートを借りて今月から病院近くで一人暮らしをしていた。
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