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コンビニバイトの男の子
第9章 雨
【2】
萩子は、コンビニのイートインスペースのいつもの椅子に座り、窓ガラスに当たった雨が流れ落ちていくのを、ぼんやりと眺めます。
(よく降るなー)
空梅雨かと言われていた今週前半までの晴れの日とは打って変わって、一昨日の夜から降り始めた雨が昨日1日中降り、今も続いています。
店内に、客は萩子しかいませんでした。
(こんな雨の日に歩いて来るなんて、私ぐらいか)
窓の外に広がる駐車スペースの先にある道路を、時たま水飛沫を上げて車が通り過ぎていきます。ここに座っている間、駐車場に入ってくる車も1台もありませんでした。
窓の反射を利用して、レジの方を盗み見ます。そこに悠希の姿はありません。
(今日、間違いなくバイトの日よね)
事前に、今日がバイトの日ということはメッセージで教えてもらっていました。しかしお店に入った時、今レジにいる見慣れない外国の女の子以外店員は誰もいませんでした。メッセージでどうしたのか送っていますが、既読にならず心配しています。
「松友くん、こっちのレジお願いね」
「由絵さん、了解っす」
松友と由絵の声がして振り向くと、ふたりが奥の控室から出てきたところでした。
(もしかして、奥にいただけ?)
期待しますが、悠希は現れませんでした。
萩子に気付いた由絵が、にっこりと手を振りながら近づいてきます。
「いらっしゃい。雨の来店は珍しいわね」
「こんにちは。どうしても必要な文具があって」
テーブルに置いていたコンビニの袋を手で示します。
コンビニへ行く日は悠希がバイトしている日にしていましたが、公園へのウォーキングの後に立ち寄る形か、限定スイーツを買う時と決めていました。なので、雨の日にはウォーキングできないので、今まで来たことはありませんでした。限定スイーツも、今は販売されていません。
こう決めているのは、目的もなく悠希に頻繁に会っていると、他の店員に怪しまれるかもと警戒しているからでした。悠希と不倫関係だということは、絶対知られてはならないことです。
(特に由絵さんは、勘が鋭そうなのよね)
悠希と談笑している時に、由絵が話に加わってくることは結構ありました。
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