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夜に咲く名前のない恋人達
第11章 売上バトル
「ルカくん……っ!!」

涙が溢れたまま、ぷりんはルカに飛びついた。

「おかえり!!」

「おう、ただいま」

ルカは少し驚きながらも、優しくぷりんの背中に手を添えた。

「お前ら、たった500万くらいで暗い顔をして何やってんだよ?」

余裕の笑みを浮かべて、周りを見ているルカに対して、司は不敵な笑みを浮かべていた。

「フフ……」

背後から聞こえた小さな笑い声に、ぷりんはハッとしてルカの肩越しに視線を向ける。

まるで、ルカがここに戻って来るのが、予定通りと言わんばかりに。

「ようやく帰ってきたか、ルカ」

「何のつもりだよ、司」

ルカが低く睨みつけるが、司は余裕たっぷりに微笑んでいた。

「別に?帰ってきた所で、俺達に勝てるわけがないけどな……」

司の視線がぷりんを捉えて、笑みを浮かべているのが気になる。

ぷりんはルカの袖をぎゅっと握りしめながら、必死に言葉を絞り出した。

「ルカくん……勝とう? 絶対に……負けないで……っ!!」

ルカはそんなぷりんをじっと見つめ、それからゆっくりと口角を上げた。

「……あぁ……当たり前だろ」

その目には、まだ負けを認めていないという気持ちが宿っていた。
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