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夜に咲く名前のない恋人達
第14章 バトル最終日
11月30日。

バトル最終日の夜10時。

終了まで残り2時間。

歌舞伎町のネオンが眩しく輝く中、ぷりんはジュリアの入っているビルの下で立っていた。

金髪のウィッグに深く帽子を被り、顔を伏せる。

地下アイドルの自分を知っている人間に会わないように。

いや、ただ現実から目を逸らしたいだけなのかもしれない。

「……ルカくん、大丈夫だよね……」

不安で震える指をぎゅっと握りしめながら、小さく呟いた。

昨日ルカが言っていた。

『俺を信じろよな?』と。

だから信じる……

ルカくんなら、絶対に勝ってくれる……

しかしビルから出てくる楽しげに笑っている客達を目にして、不安が募っていく。

その中に司もルカの姿もない。

「……大丈夫かな……ルカくん……」

昨日の時点で負けていた200万差。

今はどうなっているのか、知る手段もなく、唇を噛みながら、ビルを見上げる。

もしルカくんが負けそうになったら……

麗香さんの提案……

閉店1時間前にVIPルームで司に犯される事で、麗香が大金をルカに積んでくれるという提案だ。

「大丈夫……ルカくんが、勝つから……」

そう自分に言い聞かせるように、震える声で呟いた、そのときだった。

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