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濡れた砂漠の村2
第1章 深緑の湖

お互いに向き合った形でカヌーにのり、彼が漕ぎながら湖の中央へと進む。この湖は小さいが、とても深いらしい。周りに聳え立つ、傾斜の深い山の斜面がそのまま、湖の底へと、すとんと落ちているような感じなのだ。黒に近い深緑で、何も見えない水面下。たまに大きな黒い影が通り過ぎ流ような気がして緊張する。
この湖にはね、海外付近の川なんかにいるマスみたいな魚が巨大化したものがいるんだよ。2メートルはあるかな。敵がいない、守られた環境で大きくなっているんだ。藻なんかを食べてるはずだけど、人間の匂いがすると寄ってくる。怖がらなくて大丈夫。噛むけど歯がないから痛くない。
湖の中心あたりに着く。私は抱き寄せられるように彼にもたれかかり、この絶景と孤独なくらいの静かさを味わう。膝を立てた太ももの付け根を彼が優しく撫でる。私の肌の香りを嗅ぎ、そして髪の毛、首筋、耳にそっと口づけをくれる。そしてそのまま無言の時間が過ぎてゆく。
この湖にはね、海外付近の川なんかにいるマスみたいな魚が巨大化したものがいるんだよ。2メートルはあるかな。敵がいない、守られた環境で大きくなっているんだ。藻なんかを食べてるはずだけど、人間の匂いがすると寄ってくる。怖がらなくて大丈夫。噛むけど歯がないから痛くない。
湖の中心あたりに着く。私は抱き寄せられるように彼にもたれかかり、この絶景と孤独なくらいの静かさを味わう。膝を立てた太ももの付け根を彼が優しく撫でる。私の肌の香りを嗅ぎ、そして髪の毛、首筋、耳にそっと口づけをくれる。そしてそのまま無言の時間が過ぎてゆく。

