この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夜をほどく
第43章 崩壊の前夜、交わる欲望
「もう全部、どうでもいい……」

低く吐き出された佐伯の言葉に、紗江は静かに首を振った。
「どうでもよくなんかない。……けど、あなたと離れる方が怖い」

この夜は、もう理性で覆い隠すことなどできなかった。
鍵をかけたホテルの部屋、カーテンは閉ざされ、外の世界は遠ざかっていく。
ただ、熱と吐息だけが濃く部屋に満ちていった。

シャツのボタンを外すたびに、心の枷がひとつずつほどけていく。
「俺を……本当に欲しがってる?」

問いに、紗江は彼の指に自らの唇を這わせた。
「あなた以外、いらない」

交わす言葉のすべてが、情欲の火に油を注ぐ。
指先が髪を梳き、肌をなぞり、鼓動の速さで互いの確かさを確かめ合う。

「……紗江……俺、お前がこんなに綺麗なの、知らなかった」

「見ようとしなかったくせに」

吐息まじりに笑った紗江に、佐伯は唇を落とす。
絡め取るようなキスに、心が蕩けていく。

それはまるで、崩壊の前夜にだけ許される、最後の陶酔。
愛か、欲か、どちらでもいい。ただ、彼女はこの夜、彼のすべてに包まれていた。

この一線を越えた先に、何が待っているかなど、考える余地はもうなかった。
/96ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ