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第19章 二人の関係

　静江さんは本当にお父さんとの子種を諦めてくれたんだろうか……。


『あなたも同じことしてるのよ？　大切な人を私から奪ったの。だからね、私もあなたの大切な家族を奪ってあげる』


　静江さんの言葉を思い出す。
　私の大切な家族を奪うと言った静江さん……。もしまだ私が大翔お兄ちゃんと繋がってると知ったら、どうなってしまうんだろう……。


　その時、私のスマホの着信音が鳴った。またさっきとは違う知らない番号だ。恐る恐る出ると、聞こえてきたのは女性の声だった。


『陽菜ちゃん？　私、静江よ』

「……っ！」


　私はびっくりしてスマホを落としそうになった。


『あら、びっくりさせちゃった？　ごめんなさいね』


　なんで静江さんが私のスマホの番号を知ってるの？


『あなたの番号、大翔のスマホから見たのよ』

「！」

『陽菜ちゃん、今日時間ある？　話したいことがあるから、私の家まで来てくれるかしら？』

「……えっ……」

『二人で話したいの。もちろん、誰にも内緒でね』


　私は震え上がった。静江さんはきっとまだ私を許してない。復讐はまだ終わってない。私はそう感じ取った。